「そろそろ昼寝の時間だろ。」


歳さんが、暴れるふたりを、ひょいと抱え

毛布の上に転がす。

暴れ疲れてたのか、そのまま歳さんに促されるまま

ふたりは昼寝に入って行った。

歳さんも、子供を寝かしつけるため、隣で横になっている。

いつも見ているはずなのに、今日はその姿が

やけに色めいて見えて、どきりとした。



寝つきのいいふたりは、すぐに寝息を立て始める。

それを見計らって、そうっと歳さんに近寄った。

背後から抱き締めると、びくりと腕の中の身体が跳ねた。


「わ・・・な、何だ・・!?」

「したい。」


綺麗な耳を軽く噛んで、息を吹き込むように囁くと

歳さんは、身を捩じらせて抵抗する。

直接的な誘いに、耳まで赤くなっている。


「し・・・したいって・・・・何言ってんだ!」

「だって、もう、ずっと歳さんに触ってない・・・・。」

「・・・・あ・・・!」


するりと長い尻尾を撫でると、かすかに声が漏れる。

歳さんは、尻尾も弱い。

付け根から、先までをゆっくり撫でていくたびに

身体を震わせて、声を押し殺す。


「駄目?」


尻尾を撫でられ、耳元で低く囁かれて、背筋がぞくぞくする。


「だ・・・め・・・じゃねえけど・・・!」



いきなり盛るなっての!

そりゃ、俺だって・・・・いやじゃねえけど。

でも、どこでするんだ?

のぶ姉だっているし、子供もいる。


「どうしようか。」

「こ・・・こじゃ、絶対やんねえからな。」


そうだ、こんなとこで盛ったら、それこそ縁切ってやる。


それもそうだ、と。

総司は、考え込んでしまった。



何だ、さっきのは、こういうことか。

良かった・・・と、良くねえ。

確かに、随分そういうことはしてねえな・・・。

でも、俺は、ハナから諦めに入っていた。

やっぱ、無理だ。

今日は皆いるし、餓鬼を放ってどこかへ行く訳にもいかねえ。

溜息をついて、自分も眠りに入ろうとした、その時。


「!?」


目を閉じたところで、いきなり身体が浮いて。

突然の浮遊感に驚いて目を開けると

俺は総司に抱きかかえられていた。


「な・・・おい!?」


総司は俺に構わず、抱えたまま隣の部屋に入っていった。

そして、和室の押入れを開けると

そこには、冬物の毛布やらが置いてあって。

俺は、その上に横たえられた。

総司は、押し入れをぴしゃりと閉めて。


「ここなら大丈夫だよ。」


閉めてしまうと、中は暗闇で、かすかな光しか入ってこない。


こんなところで・・・・。


総司が圧し掛かってきた。