総司は、壊れ物を扱うかのように、優しかった。
だけど。
こんなに足、開いたか?
拭いきれない羞恥心が、まだある。
恥かしくて、どうにかなりそうだ。
全部見られてると思うと、逃げ出したいくらいだ。
でも。
でも、こいつは、俺の旦那だ。
こいつだけだ。
こいつにしか、こんなこと、しねえ。
くそ、感謝しろよ!
ぐっと入り口に熱くて硬いものが押し付けられた。
俺は、この間の痛みを思い出して、恐怖に体が竦む。
「歳さん、ゆっくりするから、そんなに怯えないで・・・・。」
ぎゅっと閉じた瞼に、総司が優しく口付ける。
痛かったら、言って。
そう言うと、総司は俺に侵入してきた。
「あ・・・・。」
ゆっくり入ってくるそれは、酷く熱くて、かなり圧迫感があるけれど
あの時のような酷い痛みは、無かった。
それどころか。
総司が腰を進めるたびに、背筋を這い上がる、ぞくぞくした感触がある。
なんだこれ。
無意識に声があがってしまう。
「あ・・・あ・・・そ、うじ・・・・。」
「どう?痛く、ない・・・・?」
こくん、と頷くと総司は優しく笑って、俺の額に口付けた。
どくん、どくん、と総司の鼓動が奥から感じる。
ああ、今、俺は総司とひとつになってるんだ。
そう感じたとたん。
何だろう。
嬉しい。
すごく、こいつが、いとおしい。
好きだ。
好きだ。
目の前に、何かに耐えるような顔をした総司がいて。
きっと、すごく我慢して、こうしているんだろう。
こいつは俺を気遣って・・・・・・。
「そ、そうじ・・・・。」
動いていい、なんて言えない。
だけど、俺の言いたいことがわかったのか。
「歳さん・・・・動くけど、痛かったら言って。」
止められるのかどうか、わからねえくせに、そう言う。
でも、きっと、こいつは俺が嫌だと言うと、すぐ止めるつもりでいるんだろう。
馬鹿だ。
俺なんかのために。
ゆっくり、総司が動き出す。
動くたびに、前とは違うものが、込み上げる。
何だ、これ。
揺さぶられながら、感じたものは、紛れも無い快感で。
異物感や圧迫感は拭えないけど、体を侵食するものは痛みではなかった。
「・・・あ、あ、は・・・・・」
突き上げられるたび、声が漏れる。
総司の手が、あちこち這い回る。
熱い指が、感じる場所を探す。
「あ、あ、ん・・・・。」
恥かしい。
きっと、こいつには、ばれてしまっているだろう。
「歳さん、気持ちいい・・・・?」
かっと顔から火が出そうになる。
「お、おめえ・・・・は・・・・」
「俺も、すごく気持ちいいですよ・・・・。」
そう言った総司の顔は、初めて見る表情で。
それは雄の顔で。
不覚にもどきりとした。
胎の奥から強烈な快感が、全身に広がる。
総司の動きも、激しくなる。
終りが近い。
「歳さん・・・好きだよ・・・・大好きだ・・・・。」
「そ・・・うじ・・・・ああ・・・!そう・・・・あ!」
総司が低い唸り声を上げて、深く突き上げる。
一瞬、頭の中が、真っ白になって・・・・・。
そして、俺の胎の奥で、熱いものが広がった。
脱力して、のしかかってくる総司の重みは、全てではなくて。
どこまでも、気を使いやがって。
嬉しくて、ぎゅっと抱き締めてやった。
重いけど、息苦しいけど、それでもこいつがいとおしかった。
汗で張り付いた前髪を避けて、そっと口付けた。
暫く、体を重ねたまま、何度も唇を合わせる。
総司も、俺の首筋を吸ったりしている。
それが、まるで甘えているようで。
可愛い。
ちゅ、と、乳首に吸い付かれた。
「あっ!」
油断していた俺は、びくん、と感じてしまった。
総司のものは、まだ俺の内部にいて
総司のものを、きゅっと締め付けてしまった。
その刺激で、力を失っていたものが、だんだん堅くなっていく。
まざまざと、その存在を感じて、いたたまれなくなる。
「歳さんが締め付けるから・・・・。」
「あ、ば、ばか・・・・やだ・・・・。」
俺の声は、もう甘さを含んでいた。