「餓鬼餓鬼ってあなたは言いますけどね。
こんな細い手首したあなたなんかより、よっぽど私の方が力はあるんですよ。」
「ンだとぉ、このがきゃあ〜。
餓鬼はおとなしくすっこんでりゃいいンだよ。
これは大人の喧嘩だ!」
「餓鬼だかどうだか試してみましょうか。」
「うるせぇ。離しやがれ。俺は行く。」
「離しません。」
「―――っ!」
歳三は、宗次朗の手を振り解こうとした。
だが、意外に強い宗次朗の手が歳三の手首を掴んで離さない。
「―――離せよ!」
歳三は暴れようとした。
だが、歳三が暴れるより一瞬早く、
「いやだ。」
宗次朗の声とともに、歳三の体は宗次朗の腕の中におさめられてしまった。
「―――っな、」
「…俺が嫌い?」
(………え?)
問うてくる声がいつもの声と違って真剣なのに、歳三はとまどった。
意味を図りかね、答えに迷っているうちに宗次朗が抱きしめた腕の力を増してくる。
「………宗次、」
「あなたが好きだ。」
「!………宗次、」
「女とのことで喧嘩なんて行かせない。」
「―――ばっ!…馬鹿野郎!だから餓鬼だってンだ!」
「餓鬼じゃない!!」
歳三の言葉にかぶせられるように宗次の声が重なり。
次の瞬間、言葉を継ごうとした歳三の唇は、宗次朗の唇に塞がれた。
「―――っん!……ンう………」
抵抗しようにも先ほどから手首は宗次朗に掴まえられたまま。
いつの間にか、壁に背を押し付けられている。
そんなことに気をとられている間に、宗次朗の舌が歳三の唇を割って口内へ侵入してこようとしている。
(だめだ!)
理性ではそう思うのに、宗次朗の若く、情熱的な唇と舌の動きに頭の芯が甘く痺れだす。
そのまま、強く体を押し付けられ、宗次朗の足が歳三の足を割ってくる。
「ン!……んんんーーー!!」
頭を振って抵抗しても宗次朗は歳三への追及の手を緩めない。
歳三は混乱した。
子供だと思っていた宗次朗の行動にも。
その宗次朗に自分がほとんど抵抗することができないことにも。
そして、宗次朗の行動にどこかで喜んでいる自分がいて。
(違う!)
頭を振って、その考えを追い出そうとしたとき、いつの間にか、裾を割って入ってきていた宗次朗の手が内腿をなで上げたのに、鼻から甘い吐息が漏れてしまった。
心得たとばかりに体をまさぐり始めた宗次朗の手の動きに体の力が抜けていく。
その時を待っていたかのように宗次朗があいている手で歳三の下顎をつかみ、舌で口をこじ開けていく。
「あ………」
吐息とともに、思わず歳三は口を開いて宗次朗に口内を明け渡してしまった。
「んっ……ふ………ン、ン………」
鼻から甘い吐息とともに、声が、漏れていく。
最初、自分の声だと頭が認識しなかった。
思ってもみなかったことだから、無防備だった。
自分の声だと気が付いたときは、もう手遅れだった。
もう感じてしまった。
求めはじめてしまった。
たまらなくなって、歳三は、拘束されていない方の手で宗次朗の頭を抱え寄せ、自らも舌を絡めた。
どのくらいそうしていたろうか。
しばらく二人で互いの唇と舌を貪りあって。
どちらのものとも分からない唾液が歳三の首筋を伝って着物の襟を濡らし。
宗次朗が静かに唇を離した。
「ぁ………」
歳三の唇から吐息が漏れた。
「………これでもまだ餓鬼?」
たまらなくなって歳三は横を向いた。
「…ねえ。………まだ餓鬼?」
「―――っ口吸いの後、そんなこと聞いてくるところがまだ餓鬼だろ!」
語尾の震えを隠せない。
「…でも、あなたを酔わせることはできるよ。」
歳三の横顔が朱に染まる。
「…歳さん、」
目を瞑り、ぶるりと身を震わせた歳三の頬を手で包み。
「………じゃあ、…もう一度、…試してみる?」
ふたたび降りてこようとする唇を歳三は必死で手で塞いだ。
「買った喧嘩は投げられねえ。」
「じゃあ、俺が代わりに行く。」
「逃げたと思われる。」
「じゃあ、俺も連れてって。」
宗次朗が言い出したら聞かないのを歳三は知っている。
「…おめぇ。…危なくなったら逃げるンだぞ。」
「フ。誰にものを言っているんです?」
宗次朗がそう言って唇の片端をあげてわらったのを、歳三は、別な生き物が宗次朗の中で生まれたような気持で眺めていた。
次号!『河原の決闘』へつづく!(うそ!)
つ、続いて欲しい〜!!
またも宗次朗×歳話が・・・・・・!!(ハァハァ)
黒い宗次朗が素敵です〜vv
暗黒沖田養成(要請)会の私としては、将来が非常に楽しみです!
それに、歳さんも、まんざらではない様子・・・・・つか、すっかりメロメロですね。(笑)
これも絵日記のNo26「手首」でいただきました!
あんなもので萌えてくださったなんて、、恐れ多いです〜。
「自分の想いに気付かず、子供扱いする歳さんに、怒る宗次」だそうです。
カッコイイ宗次に、うっとり・・・・!
歳さんもドキドキしてるし。
描いた本人すら、ここまで萌えな発想できませんでした・・・・・っ!!
萌えツボ直撃です!流石だー!
ワタクシ、まだまだ修行が足りません。
実は、女がらみと見せかけて、歳さん狙いだったり・・・!?
寄ってたかってあんなことやこんなことをされるとも知らずに
のこのこ出て行く歳さん・・・・・!!
しかし!そんな危なっかしい歳さんを、宗次が放っておく訳ありません。
雑魚どもが、二度と歳さんに近づく気がおきないように
えぐい手(重要ポイント)で、コテンパンにしてくれることでしょう。
・・・・・なんて、腐った妄想をしてしまいました〜。
こんな長く素敵なお話を、ありがとうございました!(感涙)
ゴチです!!