「歳・・・・あんた気付かなかったの?」


「ごめん・・・・。」


俺の隣には、小さな物体が二つ。

か細い声で鳴いている。


俺が虫だと思っていたのは、子供で。


今まで普通に生活してて・・・・・よく流産しなかったよな。

たいして腹が膨らまなかったから、外見からは、わからなかった。

食うから太ったとしか思わなかった。


「私も気付いてやれなくて、ごめんね。」

「いいよ、もう・・・・・・生まれたし。」


最近、のぶ姉は、出張へ行ったり、残業だったり。

俺に構う時間は無かったんだ。

俺も、どうってことないと思っていたし。



結局。

いきなり産気づいてしまい

俺ものぶ姉もパニックになりながらも、どうにか無事に産まれた。

考えたら、やるこたぁやってたんだから、当然だろうな。


俺って、馬鹿かも・・・・・。



「ごめん、のぶ姉。」

「いいのよ。あんた体、平気?」

「今は。死ぬほど痛かったけどな。」

「疲れたでしょ。ゆっくりしてなさい。」


そう言うのぶ姉もへとへとになっている。


子供は、隣でぴゃあぴゃあ泣いてる。

どこもかしこも小さくて、目も開いてない。



・・・・・ホントに俺が産んだのか?




「いっやああん、可愛い〜〜!!」


いきなりの大声に、びっくりした。


「の、のぶ姉・・・・。」


ようやく余裕が出てきたのぶ姉は、目も開いてない子供を見て悶えている。

俺は自分で産んでおきながら、いまいち実感がない。

生まれたての子猫は、猫馬鹿なのぶ姉には堪らないらしく

きゃあきゃあ喜んでいる。


「こっち、あんたに似てるわよ。ああ、こっちは総ちゃんね!」


総司・・・・。


そうか、総司の子でもあるんだよな。

あいつ、どう思うかな・・・・・。

子供なんて、喜ばねえかもしれない・・・・・。


まぁ、産まれちまったもんは、しょうがねえ。

のぶ姉のババ馬鹿(?)っぷりを横目で見ながら

これなら一人でもどうにかなるか、と思った。



じっと子供の顔を見る。

確かに、餓鬼の頃の総司に似ている。


可愛いな。



疲れが一気に襲ってきて

そのまま気を失うように、眠りに落ちた。


























「歳さん、ほら、こっち見た!」


「・・・・・・まだ、見えてねえよ。」



俺の不安なんか、取り越し苦労だった。

俺が眠ったあと、のぶ姉は、近藤さんへ連絡して

子供が生まれたと教えたら、すっ飛んで来たらしい。


総司は子供好きだったようで、すごく喜んだ。

俺を抱き締めて、ありがとうと、何度も礼を言った。

何でありがとうなのか、さっぱりわからなかったが

やたら喜んでいるから・・・・・・まぁいいかと思った。



ちょっと、ほっとした。



ホントは、子供なんかいらないと言われたら・・・・と、怖かった。

良かった。



安心したのはいいけれど。


ここまで総司がメロメロになるとは思ってなかった。

すっかりうちに入りびたりで、育児に夢中になっている。


・・・・・・・・・・おめえ、そんな奴だったか?


何だか複雑な気分だ。




子供は、どっちも雄で。

二匹いるから、それぞれ面倒見ている。

初めは、恐る恐る赤子を抱いていた総司も

今では慣れた手つきで、抱きかかえ、あやしている。

もう俺より、上手いんじゃねえか?












歳さんと俺の子たち。

歳さんは、でれでれしやがって、なんて言うけれど

仕方ないじゃないか。

こんなに嬉しい。

子供たちは、俺にも、歳さんにも似ていて

可愛くてしょうがないんだ。





何も持ってなかった俺に

歳さんは、欲しいものをいつもくれた。



そして今も。

一人ぼっちだった俺に、家族をくれた。


「ありがとう。」

「ん?」


子供を抱いて、振り向く歳さんは

昔、俺を見守ってくれた優しい目をしている。


いつだって俺は、貴方に助けられてきた。





俺は、歳さんに返しきれないものを返すために傍にいる。





これからも、ずっと、ずっと。






















終。







長かったです・・・・・。

つか、連載の方がじゃなく

こっちが!!(涙)

あーもー詰め込みすぎじゃ!とか思いつつも。

これでも、あれもこれもはしょって書きました。

書く技量がないせいもあるのですが。(汗)



この話のラストは、書き始めから予定してました。(笑)

最初から、歳さんに子供を産んでもらいましょう!と

邪な萌えに萌えておりました。(笑)

アホですねえ。

普通だったら引かれちゃうから、猫ならいいかと

訳のわからんことを考えてました。

馬鹿の理屈です。




最初に考えていたのは、沖土で。

アンケ実施にあたり、他CPのラストも作ったのですが

子供が生まれるラストは沖土だけでした。

総司が野良で孤独だったので、こうしました。

邪道極める事に、余念がありません。

すいません・・・・。





お疲れ様でした。

ここまでたどり着いて、読んで下さり

ホントに嬉しいです。

ありがとうございました。

ようやく終わりました。

ホント、ヘロヘロです。


アンケも、御協力いただいて、ホントに嬉しかったです。

どれもこれも素敵な意見ばかりで

不思議と、これはちょっと・・・とか言うものも全く無く。

うちを見てくださる方々は素敵な方ばかりネ☆と

とっても嬉しかったです。

まぁ、殆どお師匠んとこからのお客様ばかりなので

素敵な方ばかりなのは、わかってましたがvv


中でも、「2人の子供を!」って方が2〜3名いらっしゃいまして。(笑)

しかも、子供の人数まで当てた人がいらっしゃいます。

すげえ!エスパー!!

あたいとシンクロしてますよ。(笑)

歳さんは、小柄なので、沢山産めないので、2人てのも

当初からの予定でした。

読んだ方、すごい。(笑)

つか、こんな事考えるの、私だけ?とか

不安だったのが、一気に晴れました。

ありがとうございますv(オイ)



何か邪道ばかりやらかしますが

所詮、Junkです。

ガラクタなのです。

許してください。



これからもJunksを宜しくお願いします。


愛と感謝を込めまして。

伊織





おまけの痛い絵があります。
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